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だらだらと。
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 あれから、慎吾とのあの一件からもう十日は過ぎただろうか。思い出すたび暗雲たる気持ちを抱えて日々を過ごしていたオレに、唐突に声はかかった。
「和己ー」
 慎吾が教室でこんな風に声をかけてくる事は、久しぶりだった。つい、心臓が跳ねる。
 声をした方を見ると、友人と三人でいたらしい慎吾が、ノートを振ってこちらを見ていた。
「グラマーやった?」
 普段通りの様子で、聞いてくる。ただの宿題の催促だった事に大いに落胆し、何故こんなやつに振り回されるのかと腹が立つ。まして宿題など見せてやる義理もない。
 オレは机に向き直り、机に出ていた教科書を片づけ始めた。自分は馬鹿だ、自分は馬鹿だと頭の中で唱えながら。
「おい、無視すんなって」
 気がつけば目の前に慎吾はいた。顔には曖昧な笑みを浮かべている。至近距離で向かい合うだけで、一々反応する心が鬱陶しい。
「…別に」
「何怒ってんだよ」
 ちょっと機嫌が悪い程度に捉えているであろう慎吾は、やはり少し笑みを浮かべたままで怪訝そうに聞いてくる。
「宿題ぐらい自分でやればいいだろ」
「ケチくせー事言うなって」
「うるせえ」
 そのまま席を立つ。別に行くところなどなかったが、その場を離れたかった。



 人通りの殆どない、階段の踊り場の窓から中庭を眺め、ため息をつく。
 女子が窓辺でつくため息ならいざ知らず、むさい男では敬遠される絵に違いない。
「かーずき」
 びくりと内心、身をすくませる。
「なーに怒ってんだよ。お前最近、怒りっぽくね?つか情緒不安定?」
 相変わらずの、軽い口調の慎吾が、近づいてくる。オレはそちらを見ないまま外を眺めるばかりだ。見てたまるかと、くだらない事を思う。
 すると慎吾は真横に立った。窓から腕を出してもたれかかる。その、あまりまだ日焼けしていない腕だけが視界に入った。
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タイトルも無かったので、とりあえず付けました。
ほんとに何も考えてないだろっていう。
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