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だらだらと。
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「お前、演技だったのか?」
だとすると和己にとっては少なからずショックな事実でした。
「違うって。あくまで取り入れるべき要素っつうか。うーん、演出つった方が良いかな」
和己は二の句が告げませんでした。まさかそんな事を実践していたなんてと。
「それにさ、オレちょっと気付いてたんだよ。お前が故意にかどうかは分からないけど、あの夜の翌朝さ。お前の言葉を信じちゃったらきっともう戻れないって。だけど、オレはお前の手を取った。ヤクザって後ろ暗い事情があったからいずれ手を離さざるを得ないのに気付いてたけど、それでも、それ以外の選択肢を選べなかった。好きだったから。今も好きだ。捕まってるっていうならオレは、最初から捕まってたんだきっと。あの日、それが決定的になっただけで」
「オレを擁護してるだけじゃないのか」
「ちげーよ。自惚れんなよ」
いたずらっぽく慎吾は笑います。和己が思っていたより慎吾は冷静で、あの日の取り乱しようはまるで無かったかのようでした。自分が、慎吾をたぶらかしていたと、勘違いしていただけだったような気さえしてくるのでした。
「本当にお前は、オレには勿体無い男だよな」
「何、今頃オレの有難みに気付いた?」
笑いながら言う慎吾はすっかりいつも通りの様子でした。しかし少し間を置いて、伺うように言いました。
「じゃあもう、別れるとか言わないよな…?」
急に不安げな顔を覗かせます。
「別れるなんて一言も言ってないだろ」
「でも、そういう流れになってもおかしくない雰囲気だったから」
「別れねえよ。お前が嫌だっつっても居るぞ。お前の方こそどうなんだ。もう遅いからな。嫌がったって付きまとうぐらいはやるぞ、オレは」
「こえ~」と言いながら笑います。慎吾の笑顔に、和己はようやく心の平安を幾分取り戻すことが出来たのでした。
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拍手有難うございます。よしまた書けるぞ~!という気になります。
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