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だらだらと。
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 一方、和己は会社の昼休みをぼんやりしながら過ごしていました。珍しく食欲が湧かず、義務のように食堂でご飯を口に運びながら、全く別の事を考えていました。
(本当に、洗脳したわけじゃない。ただ、そうなれば良いと思って行動しただけだ。いや、それは充分悪どい。それは分かってる。それでも、恋愛なんてそんなもんじゃないのか。振り向かせるために、男だったら何だってするだろう。…いや、そうじゃない。慎吾は既に、オレに好意を抱いてくれていた。それに付け込む様に行動した。思考は明らかに負の方向に働いていた。そして、慎吾には間違いなく作用していた。それを裏付ける事を一吾さんが言っていた。”慎吾が何かに気を取られている。””何かに捕われているようだった””お前がいないと生きていけないと”)
いくつかの台詞が鮮明に思い出されました。そして慎吾が、自分から離れていくのではと過敏に反応した事実が甦り、もうどうしたって自分は有罪なのだと、和己は何度目かの同じ結論を導き出していたのでした。


 午後十時を回った頃、慎吾は和己の部屋を再び訪れていました。
「話したいんだけど」
ぽつりと呟きます。和己は少し戸惑っていました。もう少し慎吾にはじっくり考え、冷静になる時間が必要だと思っていたのです。
「オレは、お前が好きなんだよ。それじゃ駄目なのかよ」
「…駄目ってわけじゃない。だけど、そこに至った過程が問題だ。お前にした事の…」
「そんなんオレだって、オレだって少しは考えたし」
「…何をだ?」
「和己に抱かれたかった。欲情して欲しかったから、何か色々研究したし」
「慎吾、そういうレベルの話じゃないだろ」
「そうだって!だってDVDとか超見たし。何か、虜に出来るような色気とか醸し出せないかな~って」
「…そうなのか?」
初めて聞く話に困惑を隠せません。あの夜の慎吾は、計算していたとでも言うのでしょうか。あの夜に限らず、これまでも。
「”極道の妻たち”って映画あるだろ。アレに出てくる女優の研究とか。独特の色気あるよな。なまめかしいっつうの?後は”仁義無き戦い”とか」
「本物の極道が、そんな映画見るのか?」
問うべき所は別にある気はしましたが、とりあえず気になった事を指摘してみます。
「”仁義なき戦い”は結構人気あんだよ。こっちの世界でも。そもそもノンフィクション小説から作られた映画だから。ただ、”極道の妻たち”は完全にフィクションだけど。男社会だから、女があんな出張って来ないし」
「で、それをとにかく研究したのか…?」
「うん。どうだった?ぶっちゃけ抱かれるなんて生まれてこの方体験した事無いからさ、こりゃどうにかしねえとなって思ったんだよ。マグロじゃ良いと思ってくれないかもだし、下手したら立たねえかもだし。だから、不自然じゃない程度に女優の色気を手本にしてみた。一応本物だし、いい感じに色気出ねえかなって。どう?実は気になってたんだけど」
どう?じゃねえだろう…と慎吾に思い切り突っ込んでやりたい気持ちで一杯でした。あの日の夜が全ての始まりだったと言っても過言では無かったのです。ただ、質問に答えるとするなら”最高に良かった”としか言えないのですが。
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>ギ/ネの最終回を見逃しました。
最終回に限って見逃してしまうのは前にも何回かあって、なんだかもう、自分が残念すぎます。

>まだク/ローズZER/Oを引きずってます。
人の国士/無双をォ~!ってキレる多摩/雄が良かったなぁ…。
ていうか、多/摩雄が何かやってる時は大体例外なく面白可愛いです。
一作目と二作目をそれぞれ二度観ようとしたのですが、続編の途中で『テレビみせてくれ』と親に拒まれて、返却せざるを得ず。

しかしこの映画のヒロインは時/生だと思うんですが、どうですか。
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「とんだストーカーだ。法に触れていないだけで、犯罪者紛いの事を考えてた」
「何でそれを、今更言うんだよ…」
 視線を一瞬さ迷わせ、慎吾は呟きました。
「それなら今更、言わなくてもいいじゃねえかよ!結局オレと別れるって話の前置きじゃねえか!」
 慎吾には、事の真相よりも、自分から離れていくという事実しか見えていないように見えました。今更ながらに、じぶんのしでかした事の重大さを思い知らされた気がしました。
「違う、慎吾。そうじゃない」
「じゃあ何だよ!」
「お前と別れたくなんかない。お前にこんな告白しておいても、それでもお前を縛っておきたい気持ちに変わりは無いんだ。最低なのは分かってる。それを自覚した上で、七年前に決めたことだ。だから、別れようなんてオレから言えるわけない」
「じゃあ何で今更」
「一吾さんにバレた。いや、バレてたんだ。だから、オレの口から言っておきたかった。…正直オレは」
一吾と対峙した時を思い浮かべます。
「ほっとしてた。後ろ暗い事は分かっていたから、暴かれてほっとしてたんだ」
慎吾を、真っ直ぐに見詰めました。
「ごめんな慎吾。お前の未来の選択肢を強引に一つに絞ったのはオレだ。謝って許されることじゃないけど」
「違う。オレだって…」
何か言いかけて、しかし慎吾ははっとしたように言いました。
「兄貴になんかされたんじゃねえの」
 掛け布団をひっぺがされて、服を捲り上げられて、慎吾は目に飛び込んできた酷い痣に絶句していました。
「ごめん和己…」
項垂れる慎吾に、お前は何も悪くないのだと和己は宥めました。自分のしでかしたことに比べたら、これぐらいの事は当然の報いだと思っていました。


 会社をずる休みした慎吾が、昼に自分の昼食を母の部屋へ運び込みました。
「ここで食いたいんだけど」
「何かあったの」
既に昼食を取っていた一子が、少し箸を止めて言いました。
「ちょっと悩んでる」
「…河合さんの事かしら」
慎吾はお茶を一口飲むと続けました。
「兄貴んトコ行こうとしたけど、したら和己にまた何かするかもだし」
一子は再び箸を取ってご飯を一口食べ、慎吾の言葉を待ちました。
「ちょっと和己と色々あって。…で、兄貴は和己が悪いと思ってて。…オレは、よく分かんなくて」
「河合さんが何かしたの」
「何かした…のかも。つうか和己はそう思ってて。兄貴も思ってて。てことはやっぱりそうなのかな」
「貴方はどう思うの」
「…よく分かんねえ。オレは和己が好きで、和己もオレが好きで、それで充分ていうか。でももっと、深刻に考えないと駄目なのかな。和己はオレを騙してたんだ、って言うけど。でも根底には好きって感情から始まったことだと思うんだよ」
慎吾の言う事は、事情を知らない一子にとっては状況を判断するのに全く情報量が足りていませんでした。しかしこの息子はきっと、頭の中を整理したくて来たのだと一子は思ったのでした。
「だからオレは…。でも、それじゃ駄目なのかな」
「駄目だなんて、一吾が決めることじゃないでしょう。貴方が考えて、感じて、そこから結論を出せば良いんじゃないの。貴方は貴方なんだから」
「…うん、そうかも」
そう言うと、慎吾は味噌汁を啜り、目の前の昼食に取り掛かったのでした。
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多分後数日でストックが切れます。慎吾母の一子は、『かずこ』にしようか『いちこ』にしようか悩みました。結局決まらず…ていうか書きましたっけ。
慎吾兄の名前は、好きな某バンドのドラマーさんから勝手に拝借しました”吾”の字に共通点があったのと、長男の一との組み合わせが良かったので。


>クロー/ズZE/ROと続編をレンタルして観てたんですが、いやもう思っていたよりそれぞれに個性のある登場人物が出てて面白くてですね。

ていうか多/摩雄!何てオイシイキャラなの…と。
ケンカ強くてカリスマ性あって、でもとぼけた貧乏人とか。ああ上手く書けません。
役者の山田/孝/之と似通ってる部分(とぼけてて自由なトコ?)があって、どこからが多/摩雄で何処からが山田なのか分からなくなるほどですよ。凄いツボキャラだろう、っていう。(欲を言えばもうちょっと顔が引き締まってるといいんですけど)

主人公も不器用すぎておかしすぎます。変なトコ真面目なのは何。可愛いから(笑)
伊/崎がイケメンだとか、鳴/海カッコ良すぎだろとか、もう色々あって、
そんなわけでサイトめぐりに没頭してましたよ…。

ギャグは結構楽しめるんですが、シリアスだとツボなのとそうでないのがありました。難しいジャンルですね、やっぱり。


>それと今頃になって改めてスーザ/ン・ボ/イルの動画を観てました。
ドラマチックな展開ですよね。キ/ャッツの曲が良かったです。
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 翌朝、和己は未だ軋む腹を庇いつつ、出社しました。本当に大丈夫なのだろうかと腹の痣を見る度不安になり、結局は仕事帰りに病院に赴いたものの、医者には「内出血だね」と一瞥しただけで断言され、寧ろどうしてそんな酷い痣が出来たのかと問われ、返答に困る始末でした。

 やや遅い時刻に屋敷に帰り、部屋の襖を開けるとそこにいたのは慎吾でした。昨日のショックな出来事にすっかり忘れていましたが、詳しく色々話そうという約束を思い出したのです。
 しかし別の事実にも思い至ります。慎吾が和己の部屋を訪れるのは普段限られており(ケジメの為に他の組員に見つからない用に)、訪れた時には大抵コトに及ぶのが当たり前となっていたのでした。しかしそんな事になれば、腹の酷い痣が見つかるのは明白でした。そもそも激しい運動に耐えられそうにありません。そこで和己は、殊更疲れたように装うことに決めました。「どっこいしょ」などといっておっくうそうに腰を下ろします。慎吾からは「ジジ臭い」と容赦なくツッコまれました。
「組が立て込んでるときに限って、仕事まで忙しくてな」
などと言って溜息をついてみせます。更に「横になっていいか」と断って、布団を敷き、布団に潜り込みました。
「明日が土曜で良かったよ。疲れが取れなくて」
と言って慎吾の反応を伺います。
「マジでジジくせーよ。同い年の癖にそういう事言うなよ。こっちまで老け込むだろーが」
事情を全く知らない慎吾はどこまでも辛らつに言ってのけました。
「それはそれとしてよ、お前これからどーすんの?」
どうする、とは当然組を解散した後の事を指していました。
「実家戻んの?」
心なしか、慎吾の声が寂しげでした。
「…屋敷は出ないといけないからな」
実は何も考えていませんでした。というより、考える余裕が無かったのです。昨日の告白に端を発した一吾の行動に思いを馳せ、自分は確実に慎吾にとって有害だと捕らえられたと和己は感じていました。いや、元々見抜かれていたのです。大事な弟に、河合和己が何かをしたのだ、という事を。
「何考えてんの?」
慎吾が顔を覗き込んできます。何となく、その目を直視することが憚られました。自分には資格がないのだという思いに駆られます。自分が必要以上に慎吾に執着しなければ、慎吾は自分以外の相手をそのうち見つけていた可能性だってありました。しかしそれを和己は許すことが出来なかったのです。
 潮時かもしれない、と思いました。いづれにしても、一吾がこのまま黙っているとも思えませんでした。
「…慎吾」
「何」
深く深呼吸し、先程は外した視線を合わせました。そして口を開きかけると、それを慌ててさえぎられたのでした。
「何言おうとしてんの。何か嫌なこと言おうとしてるだろ。何か、オレから離れようとか考えてないよな。嫌だからな」
何かを決心したような和己の表情に、慎吾が先手を打つように言います。
「慎吾」
「駄目だよオレもう。無理だって。数年前はまだ、大丈夫だったかもしれないけど、絶対もう無理だって。お前がもし別れようとか言ったとしても、それを自分にそれを理解させようとか、そんな努力出来ない」
慎吾の取り乱しように、和己は黙って見ていることしか出来ませんでした。これが自分のやった事に対する結果だと思いました。自立していた人間を、依存の方向へと追いやった事の。
「慎吾、違うから。言ってなかったことがあるから、それをお前に言おうと思って」
「それって何だよ…」
慎吾の警戒心はまだ解けていないようでした。出来ることなら耳を塞ぎたいといいたげでした。
「お前と初めてホテルに泊まった時の事覚えてるか。オレの誕生日だった」
「…そりゃ覚えてるけど」
「初めて男を抱く、ってなって、オレは内心ビビってたんだ。ちゃんと上手くいくのかって。お前のことは好きだったけど、またそれとは問題が違ってくるっていうかな」
「……」
「でも結果的には心配なんて吹き飛んでた。お前の虜になってた。良く分からないけど、お前は凄く魅力的だった。色気があった。それに誘われるままいつまででもお前の体を貪っていたかった」
慎吾はわずかに顔を赤らめ、俯きました。
「その後思ったんだ。お前を誰にも渡すもんか、ってな。その為に何でもしてやる。手段がどうだろうが、そんな事は構わない。お前の意思なんか知らない。オレは他の奴の誰にもお前に触れさせるもんかと思った。そしてそれを行動に移した。お前を殊更大事に扱った。オレ以外に目が向かないように。お前を抱きしめて、好きだと囁いた。オレ以上にお前を愛せるものはいないんだと思わせようとして。唯一無二の人間なんだと信じ込ませようとした。いなくなったら生きていけないんだと、そんな風に思わせようとした」
慎吾は微動だにせず、話を聞いていました。聞いているというより、ただ呆然としているようにも見えました。
「お前が卒業と同時に連絡の一切を経った時、オレは何て思ったと思う?失敗したと思ったんだ。上手く行っていたはずなのに、慎吾は手を離してしまった。どこで間違えたんだろうと思った。このままだと、お前はオレを伴わない人生を歩んでしまう。そんな事は許せない、って」
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これまでと違って、一気に書いたものを小分けして載せているので、切りどころが無かったりします。
なので今回は長くなりました。


>映画「天/使と/悪魔」を観ました。感想(?)は続きからドゾ。若干ネタバレかも。
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 見慣れた天井がぼんやりと視界に広がり、しばらくして、ああ自分の部屋だと和己は認識しました。次いで、自分は気を失っていたらしい、と思い至ります。布団に寝かされているらしく、身じろぎしようとすると、腹部に鋭く痛みが走りました。少し筋肉を動かしただけでこの痛みは尋常ではないのでは、と不安にかられます。
「お、目が覚めたか」
聞き覚えのある声は、兄貴分の久保のものでした。

 暫く事情を聞いていると、どうやら一吾が久保を呼んでくれたらしい事が分かりました。
「お前何したんだよ。一吾さんは滅多に身内に手は出さねえぞ」
その滅多な事をしてしまったが為に和己はこうなってしまったのでした。
「少し動いただけで腹がまだかなり痛むんですが…」
弱弱しい自分の声に情けなくなります。
「そりゃみぞおちに一発くらったからな。一吾さんは有段者だし。でも足技じゃなかっただけマシだ。あの人の得意技は蹴りだから。後で見てみりゃいいけど、凄い事になってるぞ。内出血で赤紫色になってる」
「大丈夫ですかね…?」
「血を吐いたわけでもねえし。内臓破裂なんて事にはなってねえよ。じゃなきゃこんなのんびり話してられねえしな。心配なら病院に行ってもいいけどよ」
さすがにヤクザの世界に生きる人間にとっては、慣れた事のようでした。そうは言っても、これまでひたすら地味に奉公していた和己にとっては、それなりにショックな出来事でした。極道の世界の一端を垣間見たように思いました。時と場合によっては、何倍も血生臭いことが起きている世界なのです。
「オレがこうなった事、久保さん以外に誰か知ってますか?」
「…誰にも言ってねえけど」
「そうですか。あの、誰にも言わないで置いてくれませんか」
慎吾に、この事を知られたくありませんでした。
「そりゃ良いけど」
「有難うございます。あと、ここに運んでくれたのも久保さんですよね。本当に有難うございました」
「水臭え事言うなよ。弟分が何かあったら出てくんのが兄貴分だろうが」
「…はい」

 その日は食事を取る気にもなれず、体を動かす際の痛みもあってトイレに行くのみで済ませた和己でしたが、鏡で腹を確認してみると言われたとおり凄いことになっていました。殴られた箇所に直径十センチ程の濃い赤紫色の内出血がありました。見ていると自分の身体ながら気持ち悪くなってくる程でした。
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一応、展開が色々とある流れになってます。
慎吾の兄は、やはりカッコよく書かないといけないだろうというのは最初から頭にありました。出来れば和さんも組で活躍させたかったのですが、ヤクザで活躍するというのは、イコール凄く血生臭い事にどうしてもなるので自重しました。


続きから、M/W話です。ここに来てくれてる方には恐らく全然興味がないだろうと思われますが。
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 一吾の顔が一層無表情になっている気がしました。吐き出される内容もにわかに緊張感を孕んできていました。
「厄介だと思った。完全に、知らない間にカタギの男に捕まっちまってた。更に面倒なことにそいつは、妙に我慢強く、小ざかしい程に頭が回り、変に度胸があった」

「簡単に別れさせられないと思った。慎吾の気持ちがあったからだ。逆に言えば、それさえなきゃどうとでも出来たんだ」

「だけどなあ、それにしたってちょっと行き過ぎだと思わないか?慎吾の、まるで依存するかのようなお前への感情だ。お前がいなきゃ生きていけないと言い出さんばかりの顔をしてた」
和己は、完全に呑まれそうになっている自分を自覚していました。一吾は初めて和己の顔をその時真正面から見据えました。
「ずっと聞こうと思ってたんだ。なあ和己、何したんだ。慎吾に」
「……」
「聞いてるんだ。答えろ」
有無を言わせぬ言葉に、和己は観念するしかありませんでした。下手な言い逃れなど通用しない事を悟りました。
「私は、慎吾に惚れてました。でもある日を境に、言いようの無い気持ちに支配されました。一言で言えば独占欲です。どす黒い。慎吾を自分のものにしてやろうと決意しました。出来る事ならなんでもしてやろうと。自分以外、見えなくしてやろうと。その時、慎吾はまだ踏みとどまってました。だけど、手を掴んで引きずり下ろしました。その日以来、ずっと態度で、言葉で示してきました。誰よりも愛しているから、お前にはオレ以外いないんだと。まるで、…洗脳するように」
全て包み隠さず話したのは、贖罪したかったのかもしれないと和己は思いました。目の前の人間が、許してくれるような甘い人間では無かったとしても。
「馬鹿正直だなお前は」
まるで他人事のような口ぶりで一吾は言いました。
「でもまぁ、事の真相が分かってよかった。オレははっきりしないのは嫌いなんだ。思考が定まらないからな」
 次の瞬間、和己は自分の身に何が起こったのかを理解するのに数秒を要しました。目の前にいた一吾が斜めに傾いた、と認識した瞬間に腹に酷く重く鋭い衝撃がつき抜け、次いでそれに伴った強烈な痛みに襲われました。日頃磨いてきた床が視界一杯に広がると、膝を付き、そのまま頭を打ち付けました。しかし腹部の強い痛みが何よりも勝りました。まるで内臓を直接握りつぶされているかのような、これまで経験したことの無い痛みに、うめき声さえ上がりませんでした。
 頭上で何か言われたような気がしましたが、全く頭に入ってきませんでした。呼吸さえ苦しく、一体自分の身体はどうなってしまうのだろうと和己は思ったのでした。
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M/W映画、ドラマを観ました。ネタバレですが、感想を書いてみました。
宜しければ続きからどぞ。
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