だらだらと。
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「どういう事だ?山ちゃんから連絡が来たのか?」
慎吾の部屋に連れて行かれた和己は、眉間に皺を寄せる慎吾に問い質します。
「そうだけど、何で今頃。久しぶりに会いたいって言うんだよ」
慎吾が困るのも無理はありませんでした。同窓会や野球部のOB会にも、高校を卒業してからというもの、和己と慎吾は出ずにやってきたのです。高校を卒業して丸五年が過ぎていました。成人式には辛うじて和己のみが参加しましたが、慎吾と会ってはならない約束があった為に慎吾はそれすらも欠席していました。
「これまで散々不義理を通してきたからな。すっかり愛想つかされてるもんだと思ってたけど」
卒業後の進路や近況を聞かれるのが怖かった事もあり、和己はともかく慎吾は殆ど音信不通の状態でした。
「どうすりゃいいかな…」
うーん、と二人で暫し頭を悩ませます。そして和己がばっと顔を上げました。
「いいんじゃねえか?普通に言やいいんだよ。二人とも会社勤めしてるって。たまたま同じ会社に就職したって」
「でも会社名がなぁ…」
「この際バラしちゃえよ。ウチの親父の会社なんだって。要は組のことさえバレなきゃいい話だろ?」
「…そっかな」
「そうだよ。会社を継ぐために忙しくて不義理してた、って理由も出来るしな。突っ込まれたらそう言えばいいだろ」
「そっか、そうだな」
少し考えてから慎吾は納得し、山ノ井へ電話をかけます。しかし通話が始まると再び焦りだしたのでした。
「何で家に来んの?!」
『オレ、一度も慎吾の家に行った事無いし』
「外で良くね?オレ家に来られるのあんま好きじゃないんだよ…」
『オレに来て欲しくないの?結構濃い時間を高校時代に共有してたと思ってたのにずっと連絡取れないし、慎吾ってちょっと冷たいよね』
「や、でも…」
何とか断る事が出来ないかと粘ったものの、最終的には家に遊びに来るという約束を取り付けられてしまったのでした。
「この屋敷はまずいだろ」
「もう仕方ねえよ。つかあれ以上拒否ったら超怪しまれそうだったし」
疲れたように、慎吾は言います。
「でも屋敷はマズイから、叔父さんの家に連れてくわ。昔も一回、その手使った事あんだよ」
慎吾が言うには、父方の叔父の家を我が家として、友達を連れて行き誤魔化した事があるという事でした。
「親父の親戚は全員カタギだしな。今度も口裏合わしてくれると思う」
慎吾はそう言いましたが、和己はひっかかりを感じずにはいられませんでした。山ノ井は何故今になって、しかも家にまで来たいと言い出したのかと。
----------------------------------------------------
しかしこの話は需要があるのかな…という思いを毎回胸に抱きつつ書いてます。
読んでもらえてますかね。
>マトリョーシカのデザインが結構好きなのですが、最近、雑貨屋でもちょっと見かけるようになってきて嬉しいです。
今日は可愛いレターセットを買ってみました。
数年前から、ネットで知り合った方と文通してるんですが、メールとはまた違って楽しかったりします。
「どういう事だ?山ちゃんから連絡が来たのか?」
慎吾の部屋に連れて行かれた和己は、眉間に皺を寄せる慎吾に問い質します。
「そうだけど、何で今頃。久しぶりに会いたいって言うんだよ」
慎吾が困るのも無理はありませんでした。同窓会や野球部のOB会にも、高校を卒業してからというもの、和己と慎吾は出ずにやってきたのです。高校を卒業して丸五年が過ぎていました。成人式には辛うじて和己のみが参加しましたが、慎吾と会ってはならない約束があった為に慎吾はそれすらも欠席していました。
「これまで散々不義理を通してきたからな。すっかり愛想つかされてるもんだと思ってたけど」
卒業後の進路や近況を聞かれるのが怖かった事もあり、和己はともかく慎吾は殆ど音信不通の状態でした。
「どうすりゃいいかな…」
うーん、と二人で暫し頭を悩ませます。そして和己がばっと顔を上げました。
「いいんじゃねえか?普通に言やいいんだよ。二人とも会社勤めしてるって。たまたま同じ会社に就職したって」
「でも会社名がなぁ…」
「この際バラしちゃえよ。ウチの親父の会社なんだって。要は組のことさえバレなきゃいい話だろ?」
「…そっかな」
「そうだよ。会社を継ぐために忙しくて不義理してた、って理由も出来るしな。突っ込まれたらそう言えばいいだろ」
「そっか、そうだな」
少し考えてから慎吾は納得し、山ノ井へ電話をかけます。しかし通話が始まると再び焦りだしたのでした。
「何で家に来んの?!」
『オレ、一度も慎吾の家に行った事無いし』
「外で良くね?オレ家に来られるのあんま好きじゃないんだよ…」
『オレに来て欲しくないの?結構濃い時間を高校時代に共有してたと思ってたのにずっと連絡取れないし、慎吾ってちょっと冷たいよね』
「や、でも…」
何とか断る事が出来ないかと粘ったものの、最終的には家に遊びに来るという約束を取り付けられてしまったのでした。
「この屋敷はまずいだろ」
「もう仕方ねえよ。つかあれ以上拒否ったら超怪しまれそうだったし」
疲れたように、慎吾は言います。
「でも屋敷はマズイから、叔父さんの家に連れてくわ。昔も一回、その手使った事あんだよ」
慎吾が言うには、父方の叔父の家を我が家として、友達を連れて行き誤魔化した事があるという事でした。
「親父の親戚は全員カタギだしな。今度も口裏合わしてくれると思う」
慎吾はそう言いましたが、和己はひっかかりを感じずにはいられませんでした。山ノ井は何故今になって、しかも家にまで来たいと言い出したのかと。
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しかしこの話は需要があるのかな…という思いを毎回胸に抱きつつ書いてます。
読んでもらえてますかね。
>マトリョーシカのデザインが結構好きなのですが、最近、雑貨屋でもちょっと見かけるようになってきて嬉しいです。
今日は可愛いレターセットを買ってみました。
数年前から、ネットで知り合った方と文通してるんですが、メールとはまた違って楽しかったりします。
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和己が組へ入ってから、丸一年が過ぎていました。慎吾とは組員の目に付かないように逢瀬を重ね、順調に行っていました。ですが時折、隣で眠る慎吾を見ていると思うのでした。
「(コイツは麻薬だなぁ。一回覚えると忘れられない。オレはもうすっかり中毒みたいなものだ。コイツを嵌めたつもりが、実は嵌められてたのかも知れねえな)」
寝床での色っぽい様子とは打って変わって、眠りに付くとその表情はとてもあどけないのでした。そして起きると甘えてくるのです。ずっとこうしていたいと、離れがたいと言いたげに。
「(オレは計算して嵌めた。お前はどうなんだ。計算なんて言わねぇよな)」
和己の複雑な胸中を他所に、慎吾の寝顔はどこまでも健やかなのでした。
それはとある日の土曜でした。和己はいつも通り早起きをし、廊下の雑巾がけを熱心に行なっていました。一日ではとても終わらないため、土日に分けて行なっているのですが、それでも信じられないほどの重労働です。下手をすると現役で野球をやっていた頃よりもハードなのではないかと思うほどでした。ちなみに慎吾からは以前、”イイ身体してる”との感想も漏らされました。体力のある今はまだいいものの、もしこれを何年後、何十年後もやらなければならなかったとしたら出来るだろうか、とつい考えます。島崎組では今や新入りを入れていないという話だったので、そうすると和己はずっと下っ端仕事をやらなければならないという事になってしまうのです。
将来への不安を感じつつ、バケツで雑巾を固く絞っていると、廊下の五十メートル程先から慎吾が舎弟を伴って歩いてくるのが見えました。そこですかさず立ち上がって脇に避けます。「ご苦労様です」と声をかけ、頭を下げ、慎吾達が通り過ぎるのを待ちます。珍しく組関連の用事だろうかと思った時、慎吾の携帯が鳴りました。歩きながら慎吾は携帯を取り出してフラップを開き、応答しました。
「山ちゃん?!」
その声に、和己も反応しました。下げていた頭をついうっかり上げて、慎吾を見てしまったほどです。
「ちょ、待って。いやだから、今ちょっとマズイって」
慎吾は焦りながら和己の方を振り返りました。何事かと見返します。慎吾は「掛け直すから」と短く言って切り、「来てくれ」と和己に声を掛けて強引に腕を引っ張ったのでした。
----------------------------------------------------
もう暫く終わりそうにありません。100まで行ったらどうしよう…。
>エクセルのテキストを見ていると、初歩ではあるけど知らなかった機能なんかも載っているので参考になります。でも使わないとすぐ忘れてしまいそうです。
それにしても世間ではオフ/ィスソフトは2003verがメジャー(?)のようで、2002は少しマイナーなのが残念です。ウチが2002なので。試験でも2003しか使えませんでした。まぁ、殆ど変わらないので良いんですけど…。
和己が組へ入ってから、丸一年が過ぎていました。慎吾とは組員の目に付かないように逢瀬を重ね、順調に行っていました。ですが時折、隣で眠る慎吾を見ていると思うのでした。
「(コイツは麻薬だなぁ。一回覚えると忘れられない。オレはもうすっかり中毒みたいなものだ。コイツを嵌めたつもりが、実は嵌められてたのかも知れねえな)」
寝床での色っぽい様子とは打って変わって、眠りに付くとその表情はとてもあどけないのでした。そして起きると甘えてくるのです。ずっとこうしていたいと、離れがたいと言いたげに。
「(オレは計算して嵌めた。お前はどうなんだ。計算なんて言わねぇよな)」
和己の複雑な胸中を他所に、慎吾の寝顔はどこまでも健やかなのでした。
それはとある日の土曜でした。和己はいつも通り早起きをし、廊下の雑巾がけを熱心に行なっていました。一日ではとても終わらないため、土日に分けて行なっているのですが、それでも信じられないほどの重労働です。下手をすると現役で野球をやっていた頃よりもハードなのではないかと思うほどでした。ちなみに慎吾からは以前、”イイ身体してる”との感想も漏らされました。体力のある今はまだいいものの、もしこれを何年後、何十年後もやらなければならなかったとしたら出来るだろうか、とつい考えます。島崎組では今や新入りを入れていないという話だったので、そうすると和己はずっと下っ端仕事をやらなければならないという事になってしまうのです。
将来への不安を感じつつ、バケツで雑巾を固く絞っていると、廊下の五十メートル程先から慎吾が舎弟を伴って歩いてくるのが見えました。そこですかさず立ち上がって脇に避けます。「ご苦労様です」と声をかけ、頭を下げ、慎吾達が通り過ぎるのを待ちます。珍しく組関連の用事だろうかと思った時、慎吾の携帯が鳴りました。歩きながら慎吾は携帯を取り出してフラップを開き、応答しました。
「山ちゃん?!」
その声に、和己も反応しました。下げていた頭をついうっかり上げて、慎吾を見てしまったほどです。
「ちょ、待って。いやだから、今ちょっとマズイって」
慎吾は焦りながら和己の方を振り返りました。何事かと見返します。慎吾は「掛け直すから」と短く言って切り、「来てくれ」と和己に声を掛けて強引に腕を引っ張ったのでした。
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もう暫く終わりそうにありません。100まで行ったらどうしよう…。
>エクセルのテキストを見ていると、初歩ではあるけど知らなかった機能なんかも載っているので参考になります。でも使わないとすぐ忘れてしまいそうです。
それにしても世間ではオフ/ィスソフトは2003verがメジャー(?)のようで、2002は少しマイナーなのが残念です。ウチが2002なので。試験でも2003しか使えませんでした。まぁ、殆ど変わらないので良いんですけど…。
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ようやく目の前の久保から開放された和己は布団を捲り上げます。
「寒ィ」
「人のズボン脱がせようとしてる奴が文句言うな」
「まだ脱がしてないし。ていうかちょっと面白くなってきたトコだったのに」
「ふざけんなよ慎吾。落とし前つけて貰うからな、色々と」
”色々”の部分を強調します。
「…疲れてんじゃなかったっけ?」
若干引き気味に返しますが、「お前のお陰で元気になっちまってな」と慎吾を睨めつけたのでした。
和己が組へ入ってから、丸一年が過ぎていました。慎吾とは組員の目に付かないように逢瀬を重ね、順調に行っていました。ですが時折、隣で眠る慎吾を見ていると思うのでした。
「(コイツは麻薬だなぁ。一回覚えると忘れられない。オレはもうすっかり中毒みたいなものだ。コイツを嵌めたつもりが、実は嵌められてたのかも知れねえな)」
寝床での色っぽい様子とは打って変わって、眠りに付くとその表情はとてもあどけないのでした。そして起きると甘えてくるのです。ずっとこうしていたいと、離れがたいと言いたげに。
「(オレは計算して嵌めた。お前はどうなんだ。計算なんて言わねぇよな)」
和己の複雑な胸中を他所に、慎吾の寝顔はどこまでも健やかなのでした。
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>スパムってホント多いですよね。何なんですかね。サーバーがスパム対策してても毎日あの量ですから、ホント勘弁して欲しいなと思います。
>ココは忍者の無料サーバー使ってますけど、他の有料レンタルサーバーも借りてるんですね。でも料金もバカにならないし安いトコに鞍替えしようかな…と色々見てるんですが、検索サイト不可とかになってたり、上手く行きません。
微々たる広告収入で補えないですし、どうしたものかと悩み中です。
ようやく目の前の久保から開放された和己は布団を捲り上げます。
「寒ィ」
「人のズボン脱がせようとしてる奴が文句言うな」
「まだ脱がしてないし。ていうかちょっと面白くなってきたトコだったのに」
「ふざけんなよ慎吾。落とし前つけて貰うからな、色々と」
”色々”の部分を強調します。
「…疲れてんじゃなかったっけ?」
若干引き気味に返しますが、「お前のお陰で元気になっちまってな」と慎吾を睨めつけたのでした。
和己が組へ入ってから、丸一年が過ぎていました。慎吾とは組員の目に付かないように逢瀬を重ね、順調に行っていました。ですが時折、隣で眠る慎吾を見ていると思うのでした。
「(コイツは麻薬だなぁ。一回覚えると忘れられない。オレはもうすっかり中毒みたいなものだ。コイツを嵌めたつもりが、実は嵌められてたのかも知れねえな)」
寝床での色っぽい様子とは打って変わって、眠りに付くとその表情はとてもあどけないのでした。そして起きると甘えてくるのです。ずっとこうしていたいと、離れがたいと言いたげに。
「(オレは計算して嵌めた。お前はどうなんだ。計算なんて言わねぇよな)」
和己の複雑な胸中を他所に、慎吾の寝顔はどこまでも健やかなのでした。
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>スパムってホント多いですよね。何なんですかね。サーバーがスパム対策してても毎日あの量ですから、ホント勘弁して欲しいなと思います。
>ココは忍者の無料サーバー使ってますけど、他の有料レンタルサーバーも借りてるんですね。でも料金もバカにならないし安いトコに鞍替えしようかな…と色々見てるんですが、検索サイト不可とかになってたり、上手く行きません。
微々たる広告収入で補えないですし、どうしたものかと悩み中です。
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久保のおしゃべりは留まる所を知りませんでした。余程酔っているのか、この状況にも拘らず部屋に居座ったまま延々喋り続けます。
「オレぁ、お前の事は認めてんだよ。素直に言う事聞くしな。大学出でも態度だって謙虚だしよ。土日だけとはいえ、地味でしんどい屋敷の仕事も頑張ってるじゃねえか」
そこで一升瓶を傾け、ごくりと飲み干します。
「近頃の若いもんにしちゃお前はちゃんとしてる」
久保は精々、和己の二、三歳上のはずでした。
「オレん時は床の雑巾がけがしんどくて三日目にサボってたら兄貴にビンタされた。五日目には仮病使おうとしてぶっ飛ばされた。…まぁ、そうは言ってもお前は土日だけだからな。毎日のオレとはまた違うよな」
真っ赤になった顔でだらだらと喋り続けます。そんな中、布団の中の慎吾はというと、いい加減に飽きてきたのか、和己の体を触り始めました。最初は撫でている程度だったのですが、布団に隠れている下半身を、明らかに何らかの意図を含んで撫で回し始めます。和己は慎吾の顔を探り当てて、頬をつねったりと抵抗するものの全く気にせず、ついにベルトを外しはじめました。更にファスナーを下ろし、そろそろと股間に手を伸ばし出します。
「……!」
このままでは色んな意味で限界だと悟った和己は、打開策を打ち出します。
「あの、久保さん。そこにあるの、プレゼント交換で貰ったヤツなんですけど」
「んあ?」
タンスの前に置きっぱなしだった箱を指差します。
「中身、金のネックレスだったんです。凄い有り難かったんですけどオレには分不相応で。…良かったら、貰って頂けませんか。日頃から、何かとお世話になっていますし」
「!」
久保は明らかに”金”の言葉に反応しました。箱を開け、モノを確認すると「ホントにイイのか?」とチラチラと表情を伺ってきます。「是非」と言い、ついでに「慣れない準備で疲れていて、実は結構眠いんです。明日も仕事があるので、休んでもいいでしょうか」と下出に出つつ窺います。すると久保も、おお悪かったな、なんて言いながらようやく部屋を出て行ったのでした。
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今日は月が凄く綺麗でした。くっきりとした満月で。
ためしに携帯で撮ってみたんですけど、やっぱり見るのとは全然違いますね。綺麗に写りませんでした。
久保のおしゃべりは留まる所を知りませんでした。余程酔っているのか、この状況にも拘らず部屋に居座ったまま延々喋り続けます。
「オレぁ、お前の事は認めてんだよ。素直に言う事聞くしな。大学出でも態度だって謙虚だしよ。土日だけとはいえ、地味でしんどい屋敷の仕事も頑張ってるじゃねえか」
そこで一升瓶を傾け、ごくりと飲み干します。
「近頃の若いもんにしちゃお前はちゃんとしてる」
久保は精々、和己の二、三歳上のはずでした。
「オレん時は床の雑巾がけがしんどくて三日目にサボってたら兄貴にビンタされた。五日目には仮病使おうとしてぶっ飛ばされた。…まぁ、そうは言ってもお前は土日だけだからな。毎日のオレとはまた違うよな」
真っ赤になった顔でだらだらと喋り続けます。そんな中、布団の中の慎吾はというと、いい加減に飽きてきたのか、和己の体を触り始めました。最初は撫でている程度だったのですが、布団に隠れている下半身を、明らかに何らかの意図を含んで撫で回し始めます。和己は慎吾の顔を探り当てて、頬をつねったりと抵抗するものの全く気にせず、ついにベルトを外しはじめました。更にファスナーを下ろし、そろそろと股間に手を伸ばし出します。
「……!」
このままでは色んな意味で限界だと悟った和己は、打開策を打ち出します。
「あの、久保さん。そこにあるの、プレゼント交換で貰ったヤツなんですけど」
「んあ?」
タンスの前に置きっぱなしだった箱を指差します。
「中身、金のネックレスだったんです。凄い有り難かったんですけどオレには分不相応で。…良かったら、貰って頂けませんか。日頃から、何かとお世話になっていますし」
「!」
久保は明らかに”金”の言葉に反応しました。箱を開け、モノを確認すると「ホントにイイのか?」とチラチラと表情を伺ってきます。「是非」と言い、ついでに「慣れない準備で疲れていて、実は結構眠いんです。明日も仕事があるので、休んでもいいでしょうか」と下出に出つつ窺います。すると久保も、おお悪かったな、なんて言いながらようやく部屋を出て行ったのでした。
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今日は月が凄く綺麗でした。くっきりとした満月で。
ためしに携帯で撮ってみたんですけど、やっぱり見るのとは全然違いますね。綺麗に写りませんでした。
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慌てて慎吾が布団に潜り込むのと、襖が開くのは同時でした。
「何だ?寝てんのか?」
了解も得ずに入ってきたのは兄貴分の久保でした。右手に一升瓶、左手にはコップを持っています。大声で否応無く睡魔の海から覚醒させられた和己はギョっとします。慎吾が隣に寝ているのです。三下の自分の部屋に、若頭である慎吾が居るだけでもまずいのに、一緒の布団で横になっているなんて事がバレてしまったら大事でした。半身を起こしつつ、早く久保に出て行ってもらうしかないと、疲労しきった頭で考えます。
一方の久保は、和己の隣にもう一人分、布団が膨らんでいる事に気付いたようでした。
「何だお前!女連れ込んでんのか!」
この場は肯定するしかありません。それ以外に言い様もありません。「実はそうなんです。すみません」と冷や汗を浮かべながら謝罪します。久保はというと、「オレん時はそんな事は許されなかった」だの、「オレなんて二年もご無沙汰なのに生意気だ」だのと愚痴を並べます。このような場面に遭遇しても、出て行くどころかどっかりと畳に腰を下ろして酒を飲み始める始末です。
そしてひとしきり愚痴を言った後は、和己の連れ込んだ女に興味を抱いたようでした。「ちょっとぐらい見せてくれてもいいだろ」なんて食い下がってきます。和己が懸命に辞退すると、そんなにイイ女なのか、と言い出しました。
「いえ、普通です」
そんな風に返すと、脇腹を布団に潜り込んだ慎吾に思い切りつねられました。
「痛って!」
つい声を上げてしまったのでした。
----------------------------------------------------
>アイ/シールド/21最終巻読みました。最後まで少年漫画の王道、といった感じでした。
やはり本誌よりも、新たに書き加えられた部分があったので良かったです。
が、かつてのチームがバラバラになったのが少々残念でもありましたが。
やっぱり、チームにそれぞれの特色があったので。
気になったのは雲水でした。性格が良く分からなくなっちゃったというか、あんな軽い喋りをするキャラだったかなと。三枚目の匂いすら感じました。
個人的には神龍寺の雲水が好きだったんですよね。
慌てて慎吾が布団に潜り込むのと、襖が開くのは同時でした。
「何だ?寝てんのか?」
了解も得ずに入ってきたのは兄貴分の久保でした。右手に一升瓶、左手にはコップを持っています。大声で否応無く睡魔の海から覚醒させられた和己はギョっとします。慎吾が隣に寝ているのです。三下の自分の部屋に、若頭である慎吾が居るだけでもまずいのに、一緒の布団で横になっているなんて事がバレてしまったら大事でした。半身を起こしつつ、早く久保に出て行ってもらうしかないと、疲労しきった頭で考えます。
一方の久保は、和己の隣にもう一人分、布団が膨らんでいる事に気付いたようでした。
「何だお前!女連れ込んでんのか!」
この場は肯定するしかありません。それ以外に言い様もありません。「実はそうなんです。すみません」と冷や汗を浮かべながら謝罪します。久保はというと、「オレん時はそんな事は許されなかった」だの、「オレなんて二年もご無沙汰なのに生意気だ」だのと愚痴を並べます。このような場面に遭遇しても、出て行くどころかどっかりと畳に腰を下ろして酒を飲み始める始末です。
そしてひとしきり愚痴を言った後は、和己の連れ込んだ女に興味を抱いたようでした。「ちょっとぐらい見せてくれてもいいだろ」なんて食い下がってきます。和己が懸命に辞退すると、そんなにイイ女なのか、と言い出しました。
「いえ、普通です」
そんな風に返すと、脇腹を布団に潜り込んだ慎吾に思い切りつねられました。
「痛って!」
つい声を上げてしまったのでした。
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>アイ/シールド/21最終巻読みました。最後まで少年漫画の王道、といった感じでした。
やはり本誌よりも、新たに書き加えられた部分があったので良かったです。
が、かつてのチームがバラバラになったのが少々残念でもありましたが。
やっぱり、チームにそれぞれの特色があったので。
気になったのは雲水でした。性格が良く分からなくなっちゃったというか、あんな軽い喋りをするキャラだったかなと。三枚目の匂いすら感じました。
個人的には神龍寺の雲水が好きだったんですよね。