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だらだらと。
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 その内山ノ井は、島崎組の代紋が見たい、と言い出しました。何か裏が無いか慎吾は頭をめぐらせますが、これといって思い当たりません。見るだけならと約束し、山ノ井を大広間へ案内したのでした。

 その大広間は、主に冠婚葬祭や重大な話し合いが行なわれる際に使われる所でした。和己が一吾と義兄弟の杯を交わしたのもそこです。広さは実に四十畳程もあります。奥には島崎組と、そして高島組の代紋が並んで飾られていました。
「桜がモチーフなんだね」
島崎組の代紋に山ノ井が感想を漏らします。一見、校章のようにも見えるそれは、しかし角ばった印象で、一線を画していました。
「あれは?」
山ノ井が指さしたのは、代紋の右隣に貼り付けられている大きな紙でした。紙には墨でこう記されていました。

”一、サツの世話になるべからず”
”一、カタギに迷惑をかけるべからず”
”一、仁義を忘れず、地域住民に優しい島崎組を目指すべし”

「あれウチのスローガン」
昔はもっとヤクザらしい、堅苦しく血生臭い文言が記されていたのですが、悟が組長に就任して数年後に書き直されたのでした。
「なんか選挙事務所のスローガンみたい」
最後の一文を読んで、山ノ井はそう感想を漏らしました。

 あまり、組に関係の無い人間がうろうろしていい場所では無かったため、慎吾は再び自分の部屋へ、山ノ井と共に戻ります。


 ガラガラ、ピシャ、と部屋のガラス戸を閉めた時でした。
「ところでさぁ、和己知らない?」
ギクリ、と思わず身を竦ませます。屋敷内に居る和己が咄嗟に頭をよぎりますが、冷静になろうと努めます。知るはずが無いのです。
「慎吾もだけど、和己も相当音信普通っぽかったよ。成人式には会えたけどさぁ。連絡来てない?」
 淀みなく堪えなくてはいけないのに、どう返答したものか迷いました。慎吾と和己が同じ会社に就職したと言えばいい、というのは組の事がバレていない前提での話でした。慎吾はまず、自分が会社に勤めている事を隠さなければならなくなりました。組と会社の関係を警察関係者である山ノ井に知られるわけにはいかないのです。
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>P子様
拍手とメッセージ有難うございました!無事届いたとの事で良かったです(^^)
褒めて頂いてついつい嬉しくなってしまいます。凄く有り難い感じです。
夜桜~の続きの方も、よろしくお願いいたします~m(_ _)m
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