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だらだらと。
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 心底疲れきった面持ちの慎吾は、そのまま和己の部屋へと直行します。一体何がどうなったのかと問い質そうとする和己に無言で抱きつきます。
「…慎吾?大丈夫か?」
「も~ヤダ。最悪。…疲れた…」
何があったのか分からぬまま、しかし数時間のうちに疲労感を滲ませる慎吾の頭をぽんぽんと優しくたたき、背中を撫でます。慎吾は慎吾で、磨り減った精神を回復させようと、甘えることにしました。

「山ちゃんが更に強くなって帰ってきちゃった。どうしよう」
 和己が気遣いつつ話を促すと、そんな事を言いました。それからポツリポツリと語りだします。よりによって対極の職業に付いていた、組のことがバレた事、先程まで屋敷でくつろいでいた事などです。恐ろしい事実に耳を傾けながら、和己は体を強張らせていました。取り締まる側の立場でありながら邸内を平気で歩いていたという山ノ井の神経が理解できません。
「つーかぜってー前より根性悪くなってっし!何だろ職業病?話もおちおち出来ねーし!」
話すうちに怒りが湧き起こってきたのか語気を荒くしつつ愚痴を零します。
「でももう会わねえんだろ?大丈夫だろ」
「いやそれがさー」
その時でした。和己の携帯がブルルと震え、メールの受信を知らせてきました。尻ポケットにいれていたそれを取り出し、差出人を見て驚きます。
「山ちゃんだ」


”和己元気?アドレス変わってないよね?実はさっきまで慎吾と会ってました。何か運命的な再会だった。色々話してすっごく楽しかったよ~(^^)これを期にさ、また会っていきたいなと思ってるんだよね。和己もさ、久しぶりに会おうよ。連絡取ってないなら慎吾とか皆の近況とか知りたくない?色々話題あるよ”
文面に目を通している間、「どうせ会おうとかそういう話だろ」と慎吾が言いました。
「オレ達の事は気づかれてないよな?気付くはずないし」
和己の表情は険しくなります。
「それが山ちゃんさ、オレが高校ん時に和己の事好きだったんじゃないかって言い出したんだよ。忘れてた」
あの言葉で更に肝を冷やされたのです。
「…運命的な再会だったって書いてあるぞ」
「そりゃあれじゃん。オレがヤクザで山ちゃんが警官っていう事だろ。シャレになんねーっつーの。何考えてんだ」
「すっごく楽しかったって」
「山ちゃん一人が楽しかったんだろ。独壇場だった。はっきり言って。…まぁでも、嫌なツッコミして来なきゃフツーに楽しかったのに」
「何話してたんだ」
「さっき言ったじゃん」
きょとんとして今の今まで抱きついていた和己を見上げます。
「楽しかった、の部分で何話してたんだ?」
「別にどーでもいーじゃん」
「何でだ」
「…?…何が?」
二人の間に沈黙が落ちます。暫く和己が考えるような仕草をしたと思ったら猛烈な勢いでメールを打ち始めました。
「何打ってんの?」
「ちょっと山ちゃんと会ってくる」
「待て待て待て待て」
慌てて携帯をひったくります。
「何すんだ」
怒ったように言います。
「何すんだはこっちの台詞だろ。何 山ちゃんの術中にハマってんだよ。会ってどうすんだよ。お前の近況を喋るのか?島崎ホールディングに就職したって?バカだろ」
「馬鹿とは何だ!大体…大体な!」
「山ちゃんとは会わねーのが最善なんだよ!」
「何でそんなに会わせまいとするんだ?」
「はぁ?意味わかんね。何言ってんのマジで。馬鹿じゃねーの。バーカ」
「あぁ?」
「付き合ってらんねーよ。つーか会うなよ。どーせボロ出すんだからよ」
言い捨てて慎吾は部屋を出ます。ついさっき自分がボロをいくつか出した事は遥か彼方にありました。トンチンカンな事を言い出す和己に苛立ちながら、廊下をずんずんと歩いていったのでした。
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昨日が短かったので、今日は長めで。
”夜桜”の部分が全く生かされていませんが、どうしましょう。


>マンガは描いているのに進みません。
一回取り込んで、そっから用紙サイズに当てはめて修正して…となるわけですが。
まだ下描きとペン入れやってます。
ワラサラ描ける人がほんと凄いと思います。
ていうか、私が向いてないんじゃないの?とも思ったりします。

>「不/毛地/帯」を観たんですが、良かったです。今日の分は録画したので後で観ようと。
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