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だらだらと。
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 約一ヶ月ぶりに、島崎家は広間で朝食を囲みます。
「じゃあ、昨日は下総さんとは上手く行ったんだな?でも向こうは組長直々に出向いてきたのに僕が挨拶しなくていいんだろうか」
「元はといえば向こうが発端ですから気にする必要はありません」
普段と変わらぬ様子で、一吾は味噌汁を啜りながら答えます。
「そっか…。一吾がいつもしっかり組を取り仕切ってくれるから、助かるよ。安心して働いてられる」
早朝の始終パニックに陥った様子とは一転してそんな言葉を掛けられ、暫し一吾は呆然とします。しかし嬉しくもあったので照れつつ「いえ」とだけ返しました。
「ところでもう二十代後半だろ?彼女の一人や二人はいないの」
「特にいないですね」
冷静に返す一吾に対し慎吾は「(特定じゃない彼女の三、四人はいるみてえだけどな)」と思うだけに留めます。
「一吾ぐらいの年には僕たちもう結婚して二人とも生まれてたからなぁ。心配だよ」
白ご飯を一口食べ、一吾を見やりますが、まったく意に介する様子も無く淡々と食事を進めているのでした。
「あの河合はどうなの。お父さん全然知らないけどちゃんとやってんの?」
「え、まぁ、そりゃ…」
あまり聞かれたくない話題を振られて、慎吾は少ししどろもどろになります。
「会社での様子は知りませんけど、土日は自分の時間を犠牲にして、屋敷で働いてくれてますよ」
一子がフォローを入れました。
「そっか。…ふーん、そうなのか」
考えながら、どっちつかずの様子で受け答えします。親父は今現在和己の事を、自分達の事をどう思っているのかと慎吾は考えますが、こちらから話題を振って、やぶ蛇にでもなってはかなわないと思うのでした。
 その日の島崎家の朝食は、ぎこちないながらも悪くない雰囲気の中進んだのでした。
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