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だらだらと。
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 次の日の朝、和己が目を覚ますとそこは慎吾の部屋のベッドの上でした。隣には裸の慎吾がすうすうと気持ち良さそうに寝息を立てています。昨晩の事を思い出し、オレは何をやっているのかと自己嫌悪に陥ったのでした。一吾に反省するように説教を頼まれたにも拘らず、結果的にこの有様です。時計を見ると、判を押したように規則正しい生活を送っていたお陰か未だ六時頃であることを確認しほっとします。そして脱ぎ散らかした服を集め身につけ始めました。昨日は唯、慎吾が戻ってきた安堵感で心が開放され、話を思ったより素直に聞く慎吾が愛しく思えて気がつけばそういう事になっていたのでした。しかし褒められた事ではありません。慎吾に趣味が悪いと言われたTシャツを頭からかぶると、妙に騒々しい足音と声が聞こえてきました。
 ドスドスドス、と荒々しく廊下を歩く音、そして、慎吾はどこだと声を張り上げるのは、久しぶりに聞く、しかし忘れようも無い人物の声でした。
「悟さん、まだ寝ていらっしゃいますから!朝の六時ですよ!」
宥めようとする組員を無視し、こちらに向かっているであろう相手は、上司であり島崎組組長でもある慎吾の父でした。和己にとって最も恐れる、というより厄介な人物です。
 頭から血の気が引いたのが分かりました。こんな現場を見られたら一間の終わりです。夕べの慎吾の行方不明事件どころの騒ぎではなく、確実に山か海に埋められるか沈められる自分が一瞬にして脳裏をよぎります。
「慎吾起きろ!」
必死に肩を揺さぶります。不機嫌そうに目を開けるのもお構いなしに言い募ります。
「お前の、社長の、組長が、来るんだよ!」
何を言っているのかも良く分かっていませんでした。足音はもうそこまで迫っていました。慌ててハーフパンツを履き、部屋を見回すとクローゼットにすぐさま身を隠しました。情けないなんてもう言っていられないと、ただ身を守ることに専念するのでした。
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