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だらだらと。
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 慎吾は姿が見当らなくなったと思っていた和己を探し、クローゼットの扉を開けました。すると服に埋もれるようにして、体育座りの格好で大きい身体を縮こまらせ、佇んでいました。
「すげーな。よく入ったなそんな狭いとこ」
感心したように言うと、固まっていた和己は起動ボタンを押されたロボットのようにのろのろと立ち上がり、出てきました。溜息を一つ付くと、「ヤクザの女に手え出した間男の気分だった…」と少しの間にやつれきった様子で言います。
「若干合ってるよなぁ」
笑いながら言うと「笑い事じゃねえ!」と返されました。
「社長に裸で一緒のとこ見られたらどうなると思う?良くて破門、クビだぞ。悪くて山か海に捨てられる」
「何で。悪い事してねぇのに」
「あのな、いくら俺達の事を知ってたとしてもだぞ、実際に見るのと見ないのとじゃ衝撃が違うんだよ。しかも親父さんはどうも過保護と見た」
「あんま帰って来ねえ分、余計に構いたがるんだよな、どうも」
「寿命が縮む。早く部屋に戻る」
そう言うと和己は服を身につけて、慎吾の部屋を後にしたのでした。


「ねぇ一子さん、どう思う?僕って慎吾にウザがられてるかなぁ」
「鬱陶しいとは思っているでしょうね」
 急に朝早く帰ってきた夫に、自分の思いも乗せて答えます。
「でもほら、これまでちょっとしか構ってやれなかったからさ」
「構ってやらなかったからって、自分の都合で構いだすのは親のエゴじゃないかしら」
妻の正論に悟は何も言えません。一子は気付かれぬように溜息を付くと、フォローの言葉をかけます。
「でもあの子は元々、構われすぎるのは嫌いだから、見守るぐらいが丁度良いんですよ。別に貴方が嫌いなわけではないんですから」
「そうか、そうだよなぁ」
嫌われていない、イコール、好き、と悟はポジティブに捕らえてあっさり元気になりました。
「一吾はどうだろう。いっつも隙が無いからどう接して良いのか分からないんだけど」
「あの子は出来る子だから、それが当たり前と思われてますでしょ?でも実は慎吾とは違って構われるのが嬉しいんじゃないかしら。今度褒めてやってくださいな。きっと喜びますから」
「そうかぁ。僕に褒められて喜ぶかなぁ」
「喜びますよ」
そう言われて悟は機嫌が良くなります。良くなりすぎて「今日は会社休もっかなぁ」などと言い出す始末でした。
「会社は行ってください」
厳しく言うと、「じゃあ午後出勤にする。だっていつも頑張ってるからね」と言い訳のように言うのでした。
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間が空いたので長めで。
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